春名恵です。
コーチングについて、分かりやすいたとえがあるので紹介しますね。
リンゴの取り方を一緒に考える
たとえば、あの木に実がなっているリンゴを欲しいと思っている女の子がいます。
そこで、
- Aさんは、女の子のためにりんごを取ってきてあげました。
- Bさんは、女の子にりんごの取り方を教えてあげました。
- Cさんは、女の子と一緒にりんごの取り方を考えてあげました。女の子がこうやってりんごを取りたいと思う方法です。そして、りんごは女の子が自分で取りに行きました。
このCさんの行ったことがコーチングです。
Aさんの方法は、「私が取ってきてあげる」とAさんが言ってくれるので、女の子は簡単にりんごを手に入れることができます。
しかし、Aさんがいないと女の子はりんごを手にすることはできません。
Bさんの方法は、「こうやって取ったら簡単に取れるよ」とBさんは教えてくれますが、Bさんにとっては優れた方法だとしても、女の子にとってはどうかは分かりません。
良い方法になり得る反面、まったく合わないという可能性も否めません。
Cさんの方法は、女の子が主体となって、女の子がやりたい方法を一緒に考えます。
- はしごを買ってきてりんごを取りたいのか
- 誰かからはしごを借りてりんごを取りたいのか
- はたまた木によじ登ってりんごを取りたいのか
- そのために本格的に木に登るトレーニングを積んでからりんごを取りたいのか
その答え、「そうそう!私こうしたかったの!」というのは女の子にしか分かりません。
Cさんは女の子と一緒に考えはしますが、一方的なアドバイスは決してしません。
女の子がこうしたいな、ああしたいなと話しながら頭を整理するのをCさんが耳を傾け、女の子の鏡となって話を聴いていきます。
これがコーチングです。
Cさん=コーチ(コーチングセッションを提供する人)、女の子=クライアント(コーチングを受ける人)として読んでみてくださいね。
身体は鏡で確認できる。では心は?
人は、自分の身体(肉体)は鏡で確認することができます。
でも、心はどうでしょう?
心は鏡で確認できませんよね。
そこで、Cさんが女の子の心の鏡の役割をするのです。
すると、女の子は自分の心の状態を客観的に知ることができ、「私はこうやってりんごを取りたいんだ!」「私はこうやってりんごを取りたかったんだ!」という答えに、自分自身で気づいていきます。
そして、自分が最もやりたい方法を決めてそれを実行していく(行動していく)ので、りんごを手にするまで(ゴールにたどり着くまで)モチベーションを維持することができます。
これは、好きなことは何時間でもできる、いつまでも続けられるのと同じ。
ゴール(ありたい姿)だけは先にはっきりさせておくことが大事ですが、誰に強制されるのでもなく、誰に命令されるのでもなく、自分がやりたいことをやりたい方法で実行していくため、女の子のほうにも自然と自分の行動に責任を持つ意識が生まれます。
緊急ではないが、重要なことにはコーチングを
ちなみに、Cさんの方法はAさんやBさんの方法より時間がかかるので、緊急で解決策を見つけたい場合には向きません。
でも、緊急でないからこそ、普段からわざわざ時間を作って取り組みたい重要なことについては、コーチングは最適です。
たとえば、自分をみつめる作業はこれにあたります。
これまで前ばかりを向いて進んできたけど、ちょっと立ち止まって生き方を見直したい場合は、心の鏡となるコーチングはおすすめです。