春名恵です。
こちらの続きを書きたいと思います。
「鬼ぃ~のパンツはいいパンツ♪つよいぞー♪つよいぞー♪」という歌は、みんな聞いたことがありますよね!
さて、鬼のパンツといって思い浮かぶのは、虎の模様。
鬼のつもり。虎柄のつもり。ツッコミなしで・・・
では、なぜヒョウ柄でもなくイチゴ柄でもなく、虎柄なんでしょう?
鬼のパンツが虎柄の理由
日本の暦(こよみ)や十二支の考え方は、中国から渡ってきたものです。
十二支(ね、うし、とら、う・・・)といえば、現在では生まれ年の干支を指しますが、昔は東西南北の方角や、時刻などにも十二支が割り当てられていました。
風水などで知っている人もいると思いますが、方角には、鬼が出入りするといわれる鬼門(きもん)があります。
その鬼門の方角が、丑と寅の間の北東(艮:うしとら)です。
(下図の★印が艮の方角)
鬼というのは、元々の中国では、幽霊とか怨霊などの霊を指すそうです。
一方、日本で鬼といえば・・・?
そう。
頭に角が生えて、寅のパンツを履いたがっしりした大男というイメージですね。
これは、鬼の出入りする方角が丑寅(艮)の方角だから。
鬼の頭の角は牛(丑)の角を、鬼の履いている虎の皮のパンツは虎(寅)を象徴しているのです。
(参考:現代に息づく陰陽五行 増補改定版 稲田義行 著)
季節にも鬼門がある
方角に鬼門があるように、実は、季節にも鬼門があります。
現在、私たちが使っているカレンダー(暦:こよみ)は太陽を基準とした太陽暦で、一年の始まりは1月1日です。(分かりやすく表現すると、カレンダーは月ごとにめくっていくイメージ)
一方、明治時代までは、日付は月の満ち欠けから決め、季節は太陽から決める太陰太陽暦(日本における旧暦)を使っており、このときの一年の始まりは立春(2月のはじめ)でした。(分かりやすく表現すると、カレンダーは円を回るイメージ)
この立春の方角が北東=鬼門となっているため、立春の前日である節分に、「鬼は~外!福は~内!」と邪気を祓う(はらう)のです。
節分とは、立春・立夏・立秋・立冬の前日をいいます。(節分が4つある)
でも、このように鬼を追い払うという行事から、現在では、節分というと<立春の前日>を指すようになりました。
立春は旧正月のこと?
旧暦での一年の始まりは立春といいましたが、では立春が旧暦での正月なのでしょうか?
答えは×。
立春は正月ではありません。
新暦において旧正月と呼ばれる日は、立春に近い新月の日。
そのため、毎年旧正月の日付は変わるのです。
今でも、中国や韓国、台湾などでは、新暦の1月1日ではなく、旧正月のお祝いの方を盛大にしています。
暦を知ることは自分のライフスタイルを見つめ直すこと
とはいえ、現在使っているカレンダーだけでは、なかなかこの理解が難しいところ。
でも・・・
たとえば、「3月3日のひな祭りは桃の節供なのに、なぜか桃の花は咲いていない」とか、「7月7日の七夕の日は、なぜか毎年曇りで星空が見られない」などと思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
これらの疑問も、旧暦を知れば「お~!そうなのか!」と、鬼のパンツのようにすっきり疑問解消されますよ。
敷居が高いと思われがちな暦も、身近なこととの関連を見つけることで、楽しく身に付くと思います。
応用クラス2では、実際に手を動かして書き込んでもいきますので、旧暦と新暦の違いがひと目で分かるようになり、季節のハガキも描きやすくなります。
四季のある日本の気候だからこそ、この暦なんだ
そう腑に落ちるほど、感動と共に理解も深まると思います。
また、地球に住むすべての生物やヒトは、月や太陽の影響を強く受けているとも言われるため、暦を知っていく作業は、自分のライフスタイルを見つめ直すきっかけにもなります。
「あったらいいな!」からカタチが生まれる
現在の時計やカレンダーは、「こんなものがあったらいいな!」と願った古代人の知恵の結晶として生まれたもの。
では、この時計がなかった時代、人々はどのように時刻を知ったのでしょう?
卓上カレンダーや壁掛けカレンダー、日めくりカレンダーなどがなかった時代、人々はどのように今日の日付を知ったのでしょうか?
そんな時代に「あったらいいな!」と切望し、それをカタチにした古代人の苦労を考えると、「すごいなぁ・・・!」とため息が出るばかり。
そんなこんな暦。 日本人の生活に根付いた暦。
それらを楽しく学びながら、季節のハガキや一筆箋、そえぶみ箋でひと言添えるメッセージを描けるようになるのが、応用クラス2です。
カッコかわいい<読める文字>があったらいいな!から生まれた応用クラス2。
ここでは、もっともっと自分の字も好きになれますよ♪
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